あなたの“いびき”、大丈夫ですか? いびきは睡眠中に呼吸が停止する「OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)」の可能性があります。OSAは日中に強い眠気を生じるだけでなく、放置しておくと命に関わるさまざまな合併症を生じるリスクがあり、大変危険な病気です。 OSAは日本国内で200万人以上の未治療潜在患者が存在するとされ、特に成人男性の約4人に1人が該当するといわれています。肥満の方に発症しやすいイメージがありますが、日本人は骨格的な特徴としてあごが小さい方が多く、舌が収まるスペースが少ないため気道を圧迫しやすく、欧米と比較しても患者数に大きな差はないといえます。 決して珍しい病気ではないのにもかかわらず、治療できる歯科医院がないのが現状です。そこで当院では、「いびき・睡眠時無呼吸治療歯科外来」を新たに開設し、治療に取り組むことといたしました。 たかが“いびき”と思わずに…。大切な命を守るために、ご家族の方も遠慮なくぜひスタッフにお声がけください。
健康な方と比較して、睡眠時無呼吸を有する方は重篤な全身疾患のリスクが高まることがわかっています。また、精神的に不安定になることもあります。 糖尿病リスク:1.5倍! 高血圧リスク:2倍! 心筋梗塞などの心疾患リスク:2~3倍! 脳梗塞などの脳血管障害リスク:3~5倍!
上記4項目中2つ以上該当する方は、睡眠時無呼吸になっている疑いがあり、注意が必要です。
睡眠時無呼吸の診断を行うのは、内科または耳鼻咽喉科です。 歯科治療は、就寝時と同じ仰向けの体勢となり、舌の大きさや位置など口の中を詳細に観察できるため、睡眠時無呼吸であるかどうかのスクリーニングがしやすいのです。歯科治療を通じて、患者さま全員のOSAのリスクが把握できるともいえます。 当院を受診し、リスクがあると思われる方には内科や耳鼻咽喉科をご紹介し、検査・診断をおすすめします。逆に内科や耳鼻咽喉科から睡眠時無呼吸と診断された方が紹介されてくることもあります。 OSAは、医科歯科連携で治療に取り組む非常に重要な病気なのです。
OSAの歯科的治療としては、現在、マウスピースを装着する治療が広く普及しています。 特殊なマウスピースを作製し、就寝中に装着することで睡眠時の呼吸改善を図る治療です。 マウスピースが下あごを前方に牽引することで、舌で潰された気道が解放され、いびきや無呼吸が改善し、睡眠中の呼吸が正常になります。 医科で第一選択治療法とされる「CPAP(シーパップ)」と並び、マウスピース治療はその有効性が科学的に裏付けられた素晴らしい治療法です。
睡眠時無呼吸の治療に用いられるマウスピースには、保険適用のものもありますが、上下顎一体型で患者さまの使用時の負担が大きいため、当院では自費治療のマウスピースのみを提供しています。
▶ソムノデントAVANT(アヴァン)
上下顎分離型のマウスピースです。お口が大きく開きすぎないように抑制はされますが、自由に口を開くことができ、あごを左右に動かすこともできます。装着した状態で会話も可能です。調整により容易に効果を改善することができます。 保証期間:2年6カ月 176,000円(税込) ※保険適用外となります。 ※歯や歯ぐきに痛みや違和感が生じる場合があります。 ※健康状態により、治療期間に個人差が生じる場合があります。
レントゲン検査を実施し、横になった状態で舌の大きさや位置、動きを確認します。
検査結果にもとづいた治療計画のご説明いたします。むし歯や歯周病などがある場合はお口の環境を整えるため、先に治療を行います。
精密な歯型取りを行い、歯や噛み合わせの状況を把握します。マウスピースの効果を上げるために、あごの動きなどのデータも計測します。
データにもとづき、効果的でフィット感が高いマウスピースを製作します。
マウスピースの使用方法をご説明し、当日夜から装着していただきます。
毎晩、朝まで使用できるようになったら、効果判定の検査を行います。